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筆文字法語 〜私が出会った大切な言葉〜

浄土真宗(真宗大谷派)の僧侶が、心に残った言葉を筆文字で書き綴っています。

“かげ”に支えられて

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「おかげさま」という言葉は、大抵、うれしい出来事があったり、事態が好転した時にでるよなあ〜。

と思っていましたが、そうでもないと教えられました。

 

ある日の新聞記事にて、タレントのピーコさんのインタビューを読みました。

ピーコさんは、左目にメラノーマというがんを患い、28年前に眼球を摘出したそうです。

そのため、不便を感じる一方、新たな気づきもあったと語っておられます。

 

手術後半年くらいは、(一卵性双生児の弟の)おすぎがほとんど仕事を代わってくれた。

あの人はもともと優しいから。家族も友達も、いつもそこに居てくれたのが大きかった。

私はそれまで自分一人の力で生きていると思ったの。人の悪口をよく言う結構、嫌なやつだった。

でも多くの人に支えられていたんだと病気になって初めて気付いたの。

 

道端の小さな花に気付いたり、暑くて大嫌いだった夏の風を心地よく感じたり。

空もよく見上げるようになり、片目を失って見えてきたものがあった。

                                                              「中日新聞 (2017年1月)」より

 

 これは、「おかげさま」について語っておられるのではないか…。

病気、手術、そして、片目を失う。辛く苦しい出来事だと思います。

しかし、それらを通して見えてきたものがあると、ピーコさんはおっしゃいます。

 

思えば、人間誰しも、嫌なことや辛いことに出会わざるを得ません。

それらが、自分に何ももたらさなかったかというと、そうではない……かな、と。

 

人間は、あらゆることに育てられるのですね。