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筆文字法語 〜私が出会った大切な言葉〜

浄土真宗(真宗大谷派)の僧侶が、心に残った言葉を筆文字で書き綴っています。

電車内で、崩壊を教えられる。

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昨日のことです。

電車に乗車中「となりよろしいですか?」と言う声がしました。
その方を見ると、おばあさんが学生と思しき青年に呼びかけていました。
しかし、その青年は、耳にイヤホン、手元はスマホでゲーム中、目線はもちろんスマホ
諦めたおばあさんは、その場を離れかけました。

すると、それに気づいた別の青年が「どうぞ」と席を譲ろうとしました。
でも、おばあさんは「いい、いい」と言って立つことを選んだのです。

おばあさんの表情が、とても寂しそうでした。
席を譲ってもらえなかっただけではない寂しさに見えました。

次の駅を過ぎると、乗客は減り、席はいくつか空いたので、おばあさんは座れました。

私は、良かったと思うと同時に考えさせられました。
外出するということは、不特定多数のつながりの中に身を投じるということであり、
全く周りを気にしないのは、問題があるなあ。
それでは、つながりを分断してしまう。
私も気をつけなければと思いました。

とにかく、おばあさんが座れて良かったなあと思っていたら、
そのおばあさんは、ご自分のスマホを取り出して大きな声で話しだしました。
それに驚いた乗客は、声の元を見やったり、とても気になっている方も…。
本当に、自分の家かと思うくらい大きな声でした。

しかし、そのとなりの青年は耳にイヤホン、手元はスマホで、何やら夢中。
全く気になっていない様子で、迷惑そうではありませんでした。

僕は、もう何が何だかわからなくなりました。

【今日の法語】
      わがままな自分の都合が通ることで、一見幸せになったような気がするかもしれませんが、
      私の願いが叶えば叶うほど、私を含んだ全体が崩壊していくことを知らねばなりません。 
                                                                                                                                       真城義麿